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イベント

令和2年度優秀映画鑑賞推進事業【黒澤明監督傑作映画特集】

人間の善と悪、生と老、大胆な構成と躍動感あふれる演出で描き続け、世界中の映画人と観客を魅了した
黒澤明監督の傑作を上映いたします。

※新型コロナウイルス感染症の感染状況により、公演が中止となる場合がありますのでご了承ください。

令和2年度優秀映画チラシ.pdf (903.2KB)

会場:アンバーホール 小ホール

上映予定時刻

令和3年2月27日(土)10:00~11:50 【わが青春に悔なし

令和3年2月27日(土)14:00~15:38 【酔いどれ天使

令和3年2月28日(日)10:00~11:28 【羅生門

令和3年2月28日(日)14:00~16:23 【天国と地獄

開場は各回30分前となります

チケット発売

友の会先行発売 令和3年1月17日()9:00~

一般発売日   令和3年1月23日()9:00~

【1作品】 一     般  500円

     高校生以下        200円

【4作品】共 通 券   1,200円

※友の会会員200円割引(学生除く)

 

【チケットをご購入されるお客様へ】

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、チケット裏面への氏名、連絡先等の記入欄が
ございます。
ご記入いただく個人情報は、久慈市教育委員会にて管理し、感染者が出た場合に、
保健所等の関係機関との情報共有の際に利用する場合がありますので予めご了承ください。
なお、記入いただいた内容は新型コロナウイルス感染症への対策を目的として、
第三者への開示を含めた目的外利用はいたしません。

上映作品紹介

わが青春に悔なし [1946年  東宝]

黒澤明監督の戦後第一作。モデルとなったのは京都大学の滝川事件(1933)とゾルゲ事件(1941)だが、後年の男性中心の黒澤作品に比べるとやや異質な感じを与えるのは、女性が主人公である点であろう。ファシズムの圧力に屈し野に下った大学教授の娘で、戦時下のさまざまな苦境にも屈することなく生きていく堂々たるヒロインとして、原節子が後の小津安二郎作品とは違った魅力を発揮している。脚本の久板栄二郎はプロレタリア演劇の中心的存在として活躍していた劇作家で、この年木下恵介監督も、久板の脚本により『大曾根家の朝』という佳作を発表しているが、彼と組んだところに当時の黒澤監督の姿勢が表われている。ともあれ、戦後の「新しい時代」の高揚の中で制作されたことが良くわかる作品である。本作は、1946年3月から始まった東宝争議の第二次争議中に、日活系の劇場を使って封切られた。

酔いどれ天使 [1948年  東宝]

戦時中、『姿三四郎』(1943)で鮮烈なデビューを果たした黒澤明監督は、戦後も『わが青春に悔なし』(1946)や『素晴らしき日曜日』(1947)の成功で、日本映画の若きエース的存在となった。「キネマ旬報」ベストワンに輝いた黒澤の7作目にあたるこの作品は、闇市のヤクザと飲んだくれの貧乏医者との、不思議な友情と葛藤を描いたもので、強烈な個性を持つ若者とその観察者の設定や荒々しい映像表現の顕著さという点で、以後の黒澤映画のスタイルを決定づけたものと言える。前年に、谷口千吉監督の『銀嶺の果て』(黒澤脚本)でデビューしたばかりの三船敏郎が黒澤に初めて起用され、野生味あふれるその個性をいかんなく発揮し、以後の黒澤作品に欠かせぬ存在となったことは周知の通り。また、映像と音との対位法的表現(雑踏の中の〈カッコー・ワルツ〉の使用やギター曲〈人殺しの歌〉など)を試みた黒澤にとって、この作品から参加した音楽家早坂文雄との出会いも幸運であった。

羅生門〈デジタル復元版〉[1950年  大映(京都)]

黒澤は本作について次のように述懐している。「この作品の根本といえば、要するに、無声映画に帰ってみようと思ったことですね。……トーキーになって失われた映画の美しさをもう一度見つけようという気持ちだった。……映画ももう一度単純化しなければならないのじゃないか、というのがあの試みだった」。森の中でおきた殺人事件をめぐって、8人だけの登場人物で演じられる不条理劇。芥川龍之介の「藪の中」を、脚本家を志望していた橋本忍が脚色、黒澤の助言で同じ作家の「羅生門」が加えられた。絶対真理の不在と人間不信の主題は戦後間もない欧米で評価され、翌年のヴェネチア国際映画祭でグランプリ、そして米・アカデミー最優秀外国語映画賞を受賞した。1949年に湯川秀樹博士がノーベル賞を受賞し、敗戦後の日本に朗報をもたらしたが、黒澤のそれも日本映画の芸術水準の高さを海外に知らしめただけではなく、わが国の国際理解に大きく貢献した。「キネマ旬報」ベストテン第5位。

天国と地獄 [1963年  東宝=黒沢プロダクション]

この作品は、アメリカの推理作家エド・マクベインの「キングの身代金」を映画化したものであるが、連れ去る子供を取り違えたとしても、その犯人の脅迫は成立するとのヒントを借りただけで、ほとんどのトリックは黒澤をはじめとする脚本家たちのアイディアである。この映画のクライマックスは二つある。一つは特急こだまのトイレの窓から身代金の3000万円を投げ出す場面。これは実際運行される車両を借り切って、数台のカメラで同時間に撮影された。もう一つは、極刑を課すために犯人を泳がせ、新たな殺人現場におびき出す場面である。『用心棒』(1961)や『椿三十郎』(1962)で、これまでの時代劇にはなかった迫力を演出した黒澤であったが、この作品でも、サスペンス映画に斬新な演出を試みている。〈天国〉に住む富豪と対照的に〈地獄〉に住む青年医師を演じた山崎努は、文学座の新人俳優であったが、この作品で一躍注目を浴びた。「キネマ旬報」ベストテン第2位。